Story

「俺は水槽ここ孤独ひとりになった」

主人公・クロは、ファントラ水族館の巨大水槽で泳ぐ“クロマグロ”。
たくさんの仲間に囲まれ、大好きな飼育員さんを毎日眺めて幸せな日々を送っていた。だが――

……突然、大切な日々は一瞬にして泡となって消えてしまう。

急に目の前が暗くなり、意識を奪われるクロ。
時を同じくして、クロの仲間たちも次々と苦しみ出し、水槽から姿を消していく。
その不可解なトラゴイディアは誰も止めることが出来ず、クロが目を覚ましたときには……水槽のマグロはクロ一匹だけになっていた。
巨大水槽で一体何が起こったのか。
クロは他の種族の仲間たちの力を借りて、事件の解明へと奔走し始める――。

Character
クロ

ホロウ

イト

魚乃 有汰

サクサ

シノ

捌屋 勘八

CG

イベントCG 1

【シノ】
「それでサクサ、今日は?」

【サクサ】
「こいつらに、ほらあれ! “バブリー”を見せて欲しくてさ」

【シノ】
「バブリー?」

シノは若干の戸惑いを見せ、ゆっくりと瞬きをする。

【シノ】
「もしかしてバブルリングのことかい」

【サクサ】
「それそれ。そいつで客の心を鷲掴みしてるんだろ~」

もともと、シノのサービス精神はすこぶる高い。
3階にある水槽から1階にあるレストランを結ぶこの通路を、日に幾度も行き来しては、お客様を喜ばせている。

それに加えて、珍しい芸をするようになったと、このところ評判だ。

【イト】
「向こうでは、もうその話題で持ちきりです」

【シノ】
「はは。僕を怖がってこちらに来ない割には、みんな情報が早いなあ」

【サクサ】
「まあ、僕がいるからな」

【シノ】
「そうか。……そうだったね」

【イト】
「大丈夫、ですか?」

【シノ】
「もちろん。折角ここまで来てくれたんだ。
それくらいお安い御用さ」

シノは言うとすぐ、呪文を囁くかのように、やわく唇を動かした。

【クロ】
「うわっ」

ゆらゆらと揺れるシノの顔の中心に、空気を閉じ込めた輪っかが現れる。

光を受けて輝くリングは、繊細さと軽やかさがみえた。
灯りを背負って発光するように浮かび上がる輪郭に目を奪われる。

【クロ】
「……すごい」

【サクサ】
「さすが」

【クロ】
「なんだろ。キラキラしてる……」

クロはヒレを伸ばしてみた。


※イベントCGとシナリオは開発中のものです。

イベントCG 2

クロの身体の深い場所へ――、
襞を押し広げるようにしてイトを受け入れる。

【クロ】
「ぅ、ぁ、ぁ、ぁあ」

思わず、声が裏返った。
涙が滲んで、頭と視界がぼやけていく。

自身のよりひとまわり大きい楔を全部打ち込む行為は、
クロの想像よりもずっと時間がかかる。

【クロ】
「ぁ、……は、……」

ゆっくりと肉壁がなぞられ、
否が応でも形を変えさせられていく感覚に、
苦しげな吐息が何度も漏れた。

他の雄の生殖器が、熱が、自身にはまり込んでいく痴態は、
同じく雄のクロにはどうにも言い難く、眉を顰める。

それでも、これはクロ自身が決めたことだ。

【クロ】
「ぁ……は、……ん、ぁあ……」

意外にも、最後までペニスをのみ込んでしまえば、
痛みは随分と楽になった。

下腹部の圧迫感は半端なく、
苦しくて、密着する粘膜が痺れてはいるけれど。

でも、クロは気づいていた。
奥深いところから湧き上がってくる疼きを。
本能のまま曝け出された快楽を。

泳ぎは得意なはずなのに、その波に溺れそうになる。

クロの身体は変化しているのだ。
イトとセックスするために。

【クロ】
「……イト、どきどきしてる……」

激しく波打つ鼓動をヒレに感じて、
イトが生きていると実感する。

それが嬉しい。
思わずクロは身体が震えた。

羞恥心など、いつの間にかどこかに消えてしまっていた。

今は、この熱を発散する身体をもっと感じたい。

【イト】
「……うっ、ぁ……」

クロに導かれるまま孔の奥まではいったイトが、卑猥な感覚に呻く。

低い囁きがクロの中をも微弱に震わせ、
小さな摩擦に酩酊する。

【イト】
「ク、ロ……きみと、こんなこと、して……僕……」

【クロ】
「大丈夫。イトはただ俺を感じているだけでいいから……。
……俺が、イトが汚れてないって、
綺麗だって……生きているって教えてあげる……」

ちゅく、と淫らではしたない音を立てながら、
乏しい知識を絞ってクロは腰を動かした。

ぬるぬると、銜え込んだイトのペニスをなぞるよう上下に動く。

【クロ】
「ッ、……ぅ、ぁ……」

初めてなのに、
こんなことをしている自分が少し怖くなる。

それでも、今はこうすることが正しいとクロは信じていた。

【イト】
「……んっ……、っ……ク、ロ……」

綺麗な眉を歪ませて、イトがクロを呼ぶ。

イトはされるがままだ。
紅潮した顔を無防備なまでクロに晒している。

でも、それがクロの庇護欲を更に刺激する。

弱った可哀想なイト。

――でも生きている。

ああ、不思議だ。
死を意識して、生を強く感じる。

痛みも、悔しさも、絶望も全て内包して、
ただこの瞬間の生だけが現実で、たったひとつの真実だ。

それが今のクロとイトのすべて。


※イベントCGとシナリオは開発中のものです。

イベントCG 3

【クロ】
「う……」

並外れた力に圧倒される。
押さえつけられて身動きが取れない。

【ホロウ】
「お前はさ、俺からすれば圧倒的に喰われる立場なんだよ。弱者側なんだよ。
分かんだろフツーさ。それが理解できねえから
こういう事になるってこと……俺が教えてやるよ」

ホロウは濡れた唇を上げ、クロの下着をずりおろした。
ペニスが露わになる。

【ホロウ】
「へえ。ここも黒いのかと思ったけど、
うまそうな色してんじゃん」

笑いながら躊躇なくペニスを握られ、クロは硬直した。

【クロ】
「なっ、……止め……」

赤くなったり青くなったりしながら、
どうにか抵抗しようと、もがいて声を張り上げる。

しかし、途端に懲らしめるように力が込められた。
強く扱かれる。

【ホロウ】
「だから黙ってろって」

ひどく温度が低く冷たい声。
同時にホロウの周囲の水温も下がり、張り詰めた。

【ホロウ】
「ここ、マジの意味で喰われたくないならな」

なあ、と意地悪く口角を上げ、
性器をぐにぐにと潰すような動きをしてみせる。

ホロウは、ホホジロザメの残虐な本能を剥き出しに、クロの動きを制止した。

【クロ】
「ひ、ぐ……」

クロは痛みと恐怖に呻いた。
そんなクロの様子に、ホロウは尖った歯をむき出して笑う。

【ホロウ】
「どうせお前童貞で処女だろ。残念だったな、俺が初めてで。
でも、まあ……俺はお前いわく『優しい奴』だからな。
おとなしくしてたら、そのうち悦くしてやるよ」

言うままに、今度は空いたヒレで服を捲る。
ホロウはクロの胸を這うように奥へと侵入し、
恐怖と性器への愛撫で尖った肉粒を潰すように捩じりあげた。

【クロ】
「あ、っ……」

ぞわっとして、息をのむ。
乳首を弄られ、情けなくも腰が揺れてしまった。

【ホロウ】
「くっ、ここ……硬くなったぞ」

【クロ】
「っ……!」

【ホロウ】
「くく、身体は素直でいいな。じゃあ、おっぱじめるか」

【クロ】
「や、やだ……!!」

【ホロウ】
「お前バカか。やだ、じゃねーよ」

ホロウはクロの腰を乱暴に掴むと、
欲望は自ら破った檻のように、理性の脆い鎖も喰いちぎった。

ぐっ、と体重がかかる。


※イベントCGとシナリオは開発中のものです。

イベントCG 4

クロは、想像もしていなかったことに動揺する。

なぜ魚乃が水槽ここにいるのか、
適当な理由が思い浮かばない。

【クロ】
(この時間に、巡回も掃除もないはずなのに……)

いやそもそも、彼が水槽に入ってくることなど、
今までに一度もなかったことだ。

水面の向こう側にいる、
ガラス越しにしか会えない、
違う世界に棲む人――……。

【クロ】
「どうして……?」

疑問は多いが、
その答えを知る術をクロは持ち合わせていない。

けれど、確かに魚乃は今、クロの世界水槽にいる。

ガラス越しにあった世界が交わり、
こんなにも近くに存在していることに、クロは身を震わす。

嘘みたいだ、と思った。

【魚乃】
「…………」

意志の強そうな濃い眉、
陸に棲む哺乳類ならではの、
ヒレや鱗がないしなやかな筋肉。

それでも、人が水に入るときに身を覆う皮フは、
普段よりも肉体のラインをはっきりさせ、
身体を艶めかせている。

それが、どこかクロたち海の生物に近いようにも
感じさせた。

【クロ】
(なんて美しいんだろう)

ずっとクロが望んでいた二人だけの空間は現実味がなく、
どこか夢をみているようでぼうっとする。

【クロ】
(もっと近くで顔が見たい……)

クロは酩酊した気分のまま、吸い込まれるように魚乃に近づく。

顔がみたくて、下から覗き込んだ。

けれど、黒真珠のような艶めく瞳に映る
自分自身と目が合った途端――、

【クロ】
(ダメだ、ダメ……っ!)

クロは逃げるように旋回する。
クラクラする自分を必死に戒めた。

これ以上、近づいてはいけない。

自分と違う種族で、
どんなに焦がれても望んでも、
結ばれることのない相手だ。

距離を縮めるほど、クロ自身が辛くなるだけ。

【クロ】
(……何度もそう言い聞かせただろ、俺……)

そうやって心を殺し、
水槽に降り注いで積るマリンスノーのように、
自身の奥深くに沈め、他の躯と一緒に埋葬すると決めた。

なのに、今なお持続する強い想い。

どんなに深く沈めても、
いつまでも消えることなく、
治まることなく、

ただ煮詰まり続け、魚乃を目にしたらすぐ我慢ができず浮上する。

なんて浅ましいのだろう。

【クロ】
(このまま振り向かず、泳ぎ続けなきゃ……)

冷静になるためにも、
今のクロには必要なことだった。

【クロ】
(……ごめんなさい、魚乃さん)

未練を断つように、魚乃から離れる。しかし、

【クロ】
(なんで……)

魚乃は身を翻しクロの前に出ると、
スピードを調整し今度はクロに寄り添った。


※イベントCGとシナリオは開発中のものです。

マリンエリア相関図

キャラクター相関図

Spec

タイトル / FANTASTICS*TRANS―マグカレ―
ジャンル / アクアリウム★ファンタジー
発売日 / 未定
対応OS / Windows予定
レーティング / R18

Staff

企画制作 / Tonleiter
キャラデザ・原画 / 一野
シナリオ / 穂波
BGM / むにょっ(MUNYOT SOUNDS)
ディレクター / 神倉 鈴
演出 / 山原くいな

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クロ ホロウ イト 魚乃 有汰 サクサ シノ 捌屋 勘八